テザーコインは、テザー・リミテッド社が発行元の仮想通貨であり、2021年時点で発行量は1,000億ドルを超えています。
テザーコインの概要
テザーコインは、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨と同様に、ブロックチェーン技術を利用して発行されます。テザーコインの発行には、テザー社が保有するドルが担保として用いられます。つまり、テザーコインの発行量は、テザー社が保有するドルと同等の量に制限されています。
1テザーコインが1米ドルに相当するよう、法定通貨にペッグ(縛り付け)しているステーブルコインであり、「USDT」と表記されます。
テザーコインは、仮想通貨取引所で法定通貨の代わりに利用され、ビットコインなどの仮想通貨価格が大幅に変動する場合に、価値を保持するための退避先として利用されることがあります。
テザー・リミテッド社について
発行元のテザー・リミテッド社は、香港に本社を置いています。
一方、同社は、過去にテザーコインのペッグに関する疑惑や不透明性が指摘され、また、資金決済法の違反などの疑いで米国司法当局から調査を受けたこともあります。しかし、同社はこれらの疑惑を否定しており、現在もテザーコインの発行を続けています。
テザー・リミテッド社に対する調査とその結果
テザーコインが、米ドルに対して実際にペッグされているかどうかについて疑惑が浮上したため、ニューヨーク州司法長官事務所が調査を開始しました。
その結果、同社がテザーコインの発行において不透明性があることが指摘され、また、同社が実際にアメリカドルとのレートを維持するための口座を持っていなかったことが明らかになりました。
その後、2021年2月には、テザー・リミテッド社が米国司法当局と和解に達し、約1,830万ドルの罰金を支払うことになりましたが、今後もテザーコインの発行を継続することができることになりました。
テザー・リミテッド社と米国司法当局との和解概要
- 罰金の支払い:約1,830万ドルの罰金を支払うことに同意しました。
- 情報提供:今後5年間にわたって必要な情報を、ニューヨーク州司法長官事務所に提供することに同意しました。これにより、同社は今後もテザーコインの発行を継続することができるようになりました。
- 公正な告知:今後、テザーコインの発行や法定通貨との交換レートに関する情報を公正かつ明確に告知することに同意しました。
これらの和解条件に同意することで、テザー・リミテッド社は、今後もテザーコインの発行を継続することができるようになりました。